Interviewインタビュー
「想定外」の使い方で不具合を出さないためにはテスト(第三者検証)が必要だった
渡辺様
弊社の100年近い歴史の中で、ソフトウェアを必要とする電気錠が登場したのは、ここ30年のことです。当初は暗証番号を入力するだけのシンプルなものでしたが、年々多機能になり、複雑なシステムが求められるようになりました。そうなると、やはり何らかの不具合は避けられないんです。なかには、私たちが予想もしない使い方をされるお客様がいらっしゃったり、いたずらの対象になることもあります。鍵は住む人の安全を守るものですが、それを突破しようと目論む人がいたとしても不思議ではないんです。しかし、どんな使い方をされようと、鍵は鍵。役割を果たさなくては意味がありません。作り手側のチェックだけでは、お客様による「想定外」の使い方を検証しきれない、そう考えた時点で、テストをお願いすることにしました。
EGTSさんの存在は、WEBサイトで知りました。いくつかのテスト会社に問い合わせて、どのくらいの費用でどのようなことをしてもらえるのかという情報を集めていたところ、EGTSさんはどこよりも多くのアドバイスをくださった上、実績的にも申し分なかったので、まずは一回お試しという形でお仕事をお願いしました。現在は3製品目のテストが終了したところですが、とても満足しています。製品を市場に出す前に不具合を潰すことができていると考えています。
社内チェックの工数が減ったおかげで品質が向上
小林様
社内でチェックしていた頃は、ソフトを作った後に検証項目を検討し、チェックリストを作っていたわけですが、これだけでもかなりの工数を使っていました。その上チェックリストに基づいたテストを行わなければならないとなると、時間的にもきついものがありましたね。社内にはテスト部門がないため、他部署のスタッフの手も借りる必要があります。EGTSさんにご依頼する以前は、正直手が回っていませんでした。
検証項目の検討やチェックリスト作成も含めてEGTSさんにお任せするようになってからは、製品仕様書に見えない部分、つまり私にしか検証できない部分をチェックする時間が増えました。
渡辺様
小林は否定するかもしれませんが、社内で評価を行なっている頃は、「指摘されたら直せばいい」という気持ちもあったと思うんですよ。それが社外の方に見せるとなると、ある程度の完成度が必要になる。そう考えると、専門会社によるテストを導入することで、品質の作りこみに対する意識が向上したように思いますね(笑)。
もちろん、EGTSさんのテストには大満足しています。たとえば、「ed-CUBE」という当社が製造している宅配ボックスがありますが、あるタイミングでボタンを連打されると不具合が起きるという指摘をEGTSさんからいただいたんです。この不具合は既に解消していますが、このような作り手が想定しない操作を、経験知に基づいて徹底的に試して、評価していただけるのが良いですね。提出してくださるレポートも、検証の過程が細かく書かれていますし、たまにしか現れない不具合も再現手順と共に報告していただけるので、本当に助かっています。実際に作業を担当してくださる方が打ち合わせに参加してくださったり、スケジュール通りに進めていただけることも信頼につながっています。
小林様
ひとつだけ難を挙げるとすれば、フィードバックが的確過ぎること。自分が作ったソフトウェアの弱点を突かれると、自分に対してイラっとしてしまいます(笑)。テストをメインでやられている会社はやっぱり違う。正直、悔しいと感じることもありますが、意見をいただいただけ製品の品質は向上するので、今後もこの関係を続けていきたいと思います。
直近に依頼した3製品目では、私がソフトを設計している段階からEGTSさんに入っていただきました。開発期間はどんどん短くなる傾向にあるので、これからもEGTSさんと二人三脚でがんばっていきたいです。
渡辺様
鍵はお客様の生命や財産を預かる商品。安全に使えて当然のもので、不具合はあり得ないんです。私たち製品開発部が重んじるべきは第一に「品質」、第二に「コスト」、第三に「納期」。そのうちのふたつ「品質」「納期」を支えてくださるEGTSさんは、大切なブレーンといっても過言ではありません。
作る側と評価する側、互いに高め合いながら進化の波に乗りたい
小林様
今も全面的な信頼を置いているのですが、今後はランダムテストのウェイトを増やしていただけたらいいですね。製品仕様書通りのテストは、開発の段階でもある程度できているので、想定外の部分を重視していきたいと思います。
渡辺様
住設機器のIoT化が進むなか、錠前もまた、どんどん複雑になっていくと思うんです。斬新なアイディアを持つベンチャー企業が新しい商品を次々とリリースする今、EGTSさんには今まで以上に知見を深めていただき、たくさんのご提案をいただけたらと願っています。上から目線で語っていただけるくらい、先回りしていただけたらうれしいですね。